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第37回、Lunar and Planetary Science Conference (LPSC)は、3/13-17 の日程
で Houston で開催されました。月・惑星探査に関する国際会議ではもっとも著
名でレベルの高い会議といってよいでしょう。
理学の会議ということで、私の役目は最初にごく短く経緯を述べただけでしたが、
感慨をおぼえたのでリポートします。

はやぶさの公式の成果発表はこれが初めてです。
前日のポスター発表でも、たくさんの参加者がはやぶさ関連のポスターの前に集
まっていたところで、オーラルの特別セッションにどのくらい参加するのか期待
をこめて臨みました。
日本の惑星探査計画で、LPSC に特別セッションが組まれるのは、歴史上もちろ
ん初めてです。司会は、世界の小天体探査、研究で著名の Donald Yeomans と我
が藤原先生。お二人は、はやぶさプロジェクトサイエンティストでもあります。
最終日の金曜の午前であり、かつパラレルでは火星探査セッションが走るなかで、
400人もはいる大きなホールは聴衆でいっぱいになりました。
はやぶさが近傍探査を終えて、直接に世界の関心をはかることができる初めての
機会でしたが、質疑もたくさん出て大成功だといってよいでしょう。米国はもち
ろん、参加した世界中から注目されていたことがよくわかりました。
午前8:30から昼までのセッションはあっという間に過ぎました。歴史的な一日だっ
たと言ってよいでしょう。

藤原先生は別として、こちら側の発表者は皆若い。これはとてもよいことだと思
います。みな物怖じせずに、堂々としてすばらしかった。
質問には、この分野の著名な研究者、小惑星研究の大御所が次々と立ち、
こちらの若手発表者には、教科書や文献でしかお目にかからない人もたくさんい
たはずです。逆に彼ら専門家にとっても、疑問がいっぱいで、おもしろくてしか
たない様子でした。beautiful work, great achievement と質問に織り交ぜて、
賛辞をいただきました。会場からは拍手が起き、理学者ではありませんが、非常
に誇らしく思いました。

観測をしてデータを手にした者だけが語れる、真実のみが語れる迫力があったと
思います。時として観測データや、精細画像に息をのんで聴衆が静まる瞬間もあ
りました。こちらの発表者は事実を背景に自信に満ちていたと思います。
見事に LPSC で位置を築いたものと、非常にうれしくなりました。
「はやぶさだるま」の両目が開いたと思った瞬間でした。観測器を搭載できて本
当によかったと思います。

NASA からみれば、はやぶさはいわば1つの分野の成果にすぎないかもしれませ
ん。けれども、この成果を得たことを率直に認める、その姿はさわやかで、すば
らしくもあります。日本は、まだまだ子供だけれど、よくやったという表情だっ
たかもしれません。相手の進歩は自らの進歩でもあるという、高い視点があるよ
うに思います。NASA 関係者のこの姿勢は評価できると思いました。

まだ、始原天体探査も始まったばかりです。今回発表した ISAS, 大学研究者の
人たちは、きっと将来を支えてくれるでしょう。事実がもつ自信と説得力は、何
人をも妨げることができない勢いがあります。
NASA も欧州も目を覚ましたでしょう。将来を左右するのもみなさんです。
がんばってください。

はやぶさプロジェクトマネージャー 川口淳一郎

 

 
 
 
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